Honey ginger
生意気
「まだ肌寒い時期に水浴びしてんの?」
「見てわかんないの?ジュースこぼしたから洗ってんの。わかんないわけ?」
「へぇ。ダッサ。」
は?ダサい?
聞き覚えのない声だし、初対面か。
って初対面の人にそれはないでしょ!
反射的にぱっと顔を上げるとグレーのネクタイの色が目に入る…。
グレーってことは2つ下の子?でも、敬語じゃなかったよね??
うちの学校は学年ごとにネクタイの色が変わる。ちなみに私の学年はボルドー。
「ずいぶん生意気なのね。」
だいぶイライラしてはいたけど、あくまで冷静に声をかける。
先輩ですから?
・・
「それは失礼いたしました。先輩。あまりにも幼げなお姿であったため、
てっきり同い年のものかと思って無礼な態度をとってしまったこと、お許しください。
藤堂潤也、どうかお見知りおきをお願いたします。」
「は、はぁ…」
あまりに露骨すぎるそして嫌味な態度にあっとうされて
ため息交じりになった返事をするかしないかのうちに
不敵な笑みを浮かべ藤堂という年下の男は立ち去る。