Honey ginger



ふーふーとさますと



スプーンを俺の口元に持ってくる。




だから幼稚園児でも、介護を必要としている老人でもなんでもねぇって。笑



「自分で食べる。」



綾子からスプーンとお椀を奪い取り



口に運ぶと優しい味が口の中に広がる



「このスープは割と得意なんだよ?」



ふふっと微笑みながら割烹着を脱ぐ綾子



いつ食べたかも覚えてない母親の手料理。



ただなんとなく記憶の隅に残っているその味に似ている



「ん…んまい、と、思う」



鼻の下をこすりながらうつむいて答える。



ちょっとてれくせぇな。




「でしょ?ふふふっ」



得意げに答える綾子。


目と口をにんまりさせ、腕をくんで勝ち誇ったように俺をみる



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