Honey ginger

かけ離れた現実

綾子SIDE


「はぁ………」

風に吹かれて散っていく桜の花びらをぼーっと見ながら


家路につく。これまでの二年間となにも変わらない生活、そして多分



「高校生活、最後の一年もこれまでと変わんないだろうなぁ」




中学生のころ、そして高校1年の前半期はさっき言ったような


高校生活に強い、そして完璧すぎる憧れを持っていた。



でも現実は全然違った。




朝は髪を整える時間もバッチリメイクする時間なんてほとんどなくて



遅刻ギリギリに家をでて、学校についたら友達と他愛のない話をする前に



家でできなかった、というよりやらなかった宿題を移させてもらい、


休み時間は机に伏せて仮眠をとり



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