誰が好きなの?
「なんとか言えよ‼」
何も言わない私に返事の催促をする秦野くん。
もう何を言っても無駄だと思った。
「俺ももういいや」
そう言って彼は私の手首を自由にした。
この後風間くんと会おうという気にはならなかった。
それからまた数週間が経った。
「え、まだつぐみと秦野くん、別れてなかったの?」
珍しく一緒に帰ってる、私と明美。
私と明美の家の方向は逆だから、いつもは滅多に一緒に帰らない放課後。