誰が好きなの?
今日は私が帰る方向に用がある明美。
ほんのちょっとだけど、一緒に帰ることにした。
「ん? あれ?
私、筆箱鞄に入れたっけ?」
「ちょっとー、話そらさないでよー」
いや、これはまじだよ。
念のため鞄を開けてみる。
「ほら見て、やっぱり入ってないわ」
えー、せっかく校門を出たばかりなのに。
「ごめん、明美。
せっかく一緒に帰れる機会だったけど、先に帰ってて‼」
「はいはい」
そして私は不貞腐れながら、教室に戻っていった。
嫌な思いをするとも知らずに。