誰が好きなの?
「いいの、こんなことして?
尚輝には彼女いるのにさ」
蒲田さんの声が聞こえる。
ホントだよ、私がいるのに付き合ってない女とキスしていいのかよ。
「あー、花田つぐみのこと?
別に。
アイツのこと彼女だと思ってねぇし。
大体あいつなんかが彼女?
笑わせんな」
やっぱ遊びだったんだ、私のこと。
私はこぼれそうな涙を我慢する。
筆箱を机の中に入れっぱなしなんだ。
ちゃんと取って帰らなきゃ。