君は家族
別に校庭には、人なんて居なかったし
見てる意味なんてなかった。
面倒臭いな、はやく帰りたいとしか思ってなかった。

「えっと、鈴音ちゃん?」

不意に掛けられた声の方を向くと
ほっとした表情を浮かべた女の子がいた

「あ、うん。何?」

「ええっと、窓側の席の人たち皆喋らないから。ちょっと寂しくて声掛けてみた…かな?」

えへへ、と肩にかかる程度の髪の毛に触れて、その女の子は笑った。

「えっと、名前は…」

そう言いかけたところで、頭に何かがぶつかった。



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