魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
私はクマゴンに差し出された欠けたカップを受け取った。中には紅茶色の液体が入っている。
おそるおそる口をつけたけど、普通の紅茶の味だ。ホッとして息を吹きかけながら飲んでいると、マスター・クマゴンが話を続ける。
「で、あんたたちの様子から判断すると、国王に請願書を届ける任務は失敗したようね」
「請願書?」
「そうよ。ユウヒ様が持っていたでしょ?」
よくわからないけど、ここはうなずいていた方がよさそうだ。
私がコクコクうなずいたのを見て、マスター・クマゴンはまた口を開く。
「十の村の長老たちが署名した免税の請願書なら、王も受け入れてくれると思ったのに、突き返されたのね?」
「あ、いえ。途中で山賊に襲われて、たぶん王城にはたどり着けてないと思います」
「たぶん?」
私の言葉にマスター・クマゴンが眉を寄せる。
「あ、いえ、たどり着けてないです」
たぶん。だって、気づいたときには山賊に襲われてたんだもん。
「あんた、いったいどうしちゃったの?」
おそるおそる口をつけたけど、普通の紅茶の味だ。ホッとして息を吹きかけながら飲んでいると、マスター・クマゴンが話を続ける。
「で、あんたたちの様子から判断すると、国王に請願書を届ける任務は失敗したようね」
「請願書?」
「そうよ。ユウヒ様が持っていたでしょ?」
よくわからないけど、ここはうなずいていた方がよさそうだ。
私がコクコクうなずいたのを見て、マスター・クマゴンはまた口を開く。
「十の村の長老たちが署名した免税の請願書なら、王も受け入れてくれると思ったのに、突き返されたのね?」
「あ、いえ。途中で山賊に襲われて、たぶん王城にはたどり着けてないと思います」
「たぶん?」
私の言葉にマスター・クマゴンが眉を寄せる。
「あ、いえ、たどり着けてないです」
たぶん。だって、気づいたときには山賊に襲われてたんだもん。
「あんた、いったいどうしちゃったの?」