魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
思わず驚いた声を上げてしまった。マスター・クマゴンが私をチラリと見て言う。
「それも忘れちゃったのね」
「はい、お恥ずかしながら」
ええい、もうこうなったらすべて混乱ガスを浴びたせいにしておこう!
私が小さく舌を出したのを見て、マスター・クマゴンが首を振って口を開く。
「あのね、この国ではみなしごなど、両親が幼いころに亡くなったりした子どもたちは、奴隷同然で働くか物乞いとして他人の慈悲にすがって生きていくしかないの。でも、それが嫌だという子どもたちは、魔法使いになるの。あんたも似たようなものね。あたしが拾って魔法使いの一人に預けなかったら、あんたは奴隷か物乞いになってたはずよ」
「え、私、みなしごだったんですか?」
「ええ……生後間もないころ、村の入り口に捨てられてたの」
なんてひどい設定なの……。
私が黙っていると、マスター・クマゴンが話を続ける。
「で、魔法使いになるには、悪魔と闇の契約を結ぶ必要があるのよ」
闇の契約のことはユウヒくんも少し話していた。いったいどういうものなのだろう。
「その闇の契約っていったい何なんですか?」
「それも忘れちゃったのね」
「はい、お恥ずかしながら」
ええい、もうこうなったらすべて混乱ガスを浴びたせいにしておこう!
私が小さく舌を出したのを見て、マスター・クマゴンが首を振って口を開く。
「あのね、この国ではみなしごなど、両親が幼いころに亡くなったりした子どもたちは、奴隷同然で働くか物乞いとして他人の慈悲にすがって生きていくしかないの。でも、それが嫌だという子どもたちは、魔法使いになるの。あんたも似たようなものね。あたしが拾って魔法使いの一人に預けなかったら、あんたは奴隷か物乞いになってたはずよ」
「え、私、みなしごだったんですか?」
「ええ……生後間もないころ、村の入り口に捨てられてたの」
なんてひどい設定なの……。
私が黙っていると、マスター・クマゴンが話を続ける。
「で、魔法使いになるには、悪魔と闇の契約を結ぶ必要があるのよ」
闇の契約のことはユウヒくんも少し話していた。いったいどういうものなのだろう。
「その闇の契約っていったい何なんですか?」