魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
 私の問いかけに、マスター・クマゴンは呆れたように首を振った。

「んもう、世話が焼けるわね。仕方ないからそれも最初から説明してあげるわよっ」
「すみません、お手数をおかけします」

 なんだか本当に申し訳ない気分になってきた。

「あのね、闇の契約ってのは、悪魔の使いであるコウモリの生き血を飲んで、悪魔と契約を結ぶ儀式のことよ」
「コ、コウモリの生き血? 私もそれを飲んだんですかっ?」

 目を見開く私に、マスター・クマゴンが平然と言う。

「当たり前でしょ。だからあんたは今魔法使いなんだから」

 コ、コウモリの生き血~!
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