ピンクパンサー
2
「……え?」
「恵介のこと嫌いなのはわかってるんやけど…。
あいつ、マジで葵ちゃんに惚れてもうたみたいで…。
一回だけでもデートしてやってくれへんかな?」
…あたしは凍りついた。
恵介先輩のことやない。
こうやって裕太先輩が恵介先輩を紹介してくるのは、あたしのことなんてこれっぽっちも考えてないってこと。
…あー、あたし、本当にアホやん。
「…いいですよ。あたしも恵介先輩のことええな思ってたし」
「マジ?ありがとう。恵介に言っておくな。」
裕太先輩はそういうとニコッと笑ってスタッフルームに入っていった。
……もう、苦しいなぁ……
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