ピンクパンサー


「…裕太のこと、好きなんやろ?」



先輩はまたあたしをまっすぐ見て言った。



「……え…」



──言葉が詰まった。




な、なんで!?


なんで知ってんの!?




「…俺なぁ。もうずっと前から葵ちゃんのこと好きやってん」




……うそ…



「葵ちゃん、裕太と同じくらいにバイトはじめたやろ?
ほんで、ちょくちょく裕太のバイト先に顔出したら葵ちゃんがおって、だんだん好きになっててん」




……そうやったんや…



「今日も、俺のこと遊んでるのはわかってたんや。せやけど、今日だけのデートやから…何かしてあげたかってん。」



……あたしは恥ずかしなった。


最初から気付いてたんや…




先輩がそんなふうに想ってくれてたのも知らなくて、涙があふれてきた
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