ピンクパンサー
…トン
「…え…」
「ここのお金代。
俺さきに帰るわ。
今日はそれだけ言いたかってん」
…そう言っておいたのは、カフェ代の1000円。
「…だめです!あたしが払います!さっきの二万も払います!」
「何言うてんねん。今日は全部俺が払うから」
「あかん!あたしが払いますから!
…こんなにいっぱいひどいことして……
ほんまにごめんなさい!せやからお願いします!払わせてください!」
…あたしが払わなきゃ割りにあわへんやん。
「…ほんまにええから。
ほな、俺が払うかわりに、ひとつだけお願いしてもええか?」
「…え……」
「…俺のことも、少し考えてみてくれへんかな。
葵ちゃんが裕太のことを好きなのは知ってる。でも俺も葵ちゃんが好きやねん……」
……先輩…
なんであたしなんかなん?
こんなに最低やのに…
嫌いにならへんの…?