in theクローゼット
第六章「チョコレートホリック」
side-篠塚愛子
* * *
あれから、半月が経った。
私は携帯電話を買い替え、電話番号もメールアドレスも変更した。
これで、もう私からも舞からも連絡を取ることは出来なくなる。
こうでもしないと、吹っ切れそうにない。
私と舞は、本当にあれでさよなら。
さよならをしなくちゃいけない。
でも、あのブレスレットをまだ大切に仕舞ってある。
もう身につけることはできない。
私はもう、舞の親友じゃないんだから。
だけど、どうしても捨てられなかった。
せめて、最後の思い出に――だって、舞は私の初恋の人なんだから。