in theクローゼット
「なんで? なんでわたしのこと好きになっちゃったのよ。なんでわたしが、愛ちゃんのこと嫌いにならなきゃいけないの? ずっと友達だったのに、ずっと大好きだったのに、嫌いになんてなりたくないのに……!」
舞の言葉が響く。
「どうして愛ちゃんは、わたしの友達になってくれなかったの?」
私はずっと舞のことが好きで、ずっと片思いだった。
舞はずっと私のことが好きで、友達だと思ってた。
でも、私にとって舞は友達じゃなかった。
ずっと、好きだったから。
私は恋愛、舞は友情。
舞も私に片思いをしてたんだ。
舞の片思いに私は応えた。
本当は友達だなんて思ってないくせに、友達だよって嘘を吐いた。
最初に嘘で逃げたのは、私だ。
「大好きだよ。大好きなんだよ、愛ちゃん!」
胸の前で手を握りしめて、ボロボロと大粒の涙をこぼして舞が叫ぶ。
舞の手元でなにかが光った。
「友達じゃないって、そういう意味での好きじゃないって、そんなこと言われたら嫌いになるしかないじゃない。もう、友達じゃいられないよ! 愛ちゃんのこと大好きなのに、愛ちゃんの好きとは違うんだから!」
きらきらと、舞の手元が光っている。
「気にしないで、無かったことにして、前みたいに友達のままじゃいられないよ。だって、愛ちゃんはわたしのことが好きなんでしょ?」
友愛の告白に、胸がいっぱいで上手く言葉が出てこない。