Love Birthday‥

クリスマス





目が覚めると、志則が私を見つめていた。


間近で見る志則の瞳は、少し茶色く澄んで見える。


好きでもない志則に、私は何故かドキッとした。



志則なんか、好きじゃないのに……。




好きな人に告白してふられた日に、好きでもない私を抱く志則は、


最低な男だ。



そして、そんな志則に抱かれた私も


最低な女。





最低な者同士抱き合ってしまうのは、

どうして……?



こんなにも志則の温もりが気持ち良いのは、

どうしてだろう……。




抱かれるたび、心が擦り減っていくのに。

どんどん寂しくなっていくのに。






志則、あんたは絶対私なんかを好きにならないよね?


付き合ってもない男と関係をもてる女なんかを、

好きにならないよね?





私も志則のことなんか


絶対に好きにならないよ……。













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