Love Birthday‥
大きな扉は、さっきと変わらず開いていて、
『 おいで 』
って言ってくれているようだった。
私は高鳴る鼓動を感じながら、扉の中に足を踏み入れた。
「山本さん!」
私の声に山本さんが振り返った。
「愛実ちゃん、どうしたの? なにか忘れ物?」
大きく首を振る私を、山本さんが不思議そうに見る。
「あっあの、私……、
理学療法士になれますか!?」
私の震えた大きな声が響いた。
山本さんは目を丸くして驚き、
顔が赤くなった私を見て笑った。
「どうして私に聞くの?」
「えっ!? それは……
山本さんみたいになりたいから」
こんなことを本人に言えてしまう自分に顔が更に赤くなる。
「私みたいに……?」
「はい!! この短時間でのことしかリハビリのことはわかりませんが、ほんの少しでも笑顔の役に立ちたいって思ったんです。
まだまだ見えてないことや厳しいことがいっぱいあることはわかってます。
甘い考えだって言われるかもしれないけど、
私、笑顔を見たいんです!
心から笑ってもらえるような、そんな理学療法士になりたいんです!!」
自分で何が言いたいのかわからなかった。
ただ夢中で今の気持ちを山本さんにぶつけていた。
山本さんは、息を切らせた私を見て、少しの間の後に笑って言った。