Love Birthday‥
ホームルームの後、私は職員室で担任の及川先生とこれからの進路について話をした。
松井先生が昨日私が話したことを及川先生に事細かに伝えてくれていたらしく、
話はスムーズにすすんだ。
職員室から出ると、今日が日直の志則がいた。
私は志則の視線に気づきながらも、下を向いて志則の横を通り過ぎようとした。
今、志則の顔をどんなふうに見ていいかわかんない。
それなのに、志則が私の背中に声をかけた。
「大丈夫か?」
志則の低い声が胸に響いた。
「大丈夫だよ。もう痛くないし!」
できる限り笑顔で振り返り言った。
「ドジだな」
そんなふうに言われて、呆れた顔をされていると思った。
だけど、志則の顔は真剣だった。