Love Birthday‥
やばい!!
やばい!!
やばい――!!!!
三人の面接官の前に立った私は、頭が真っ白になっていた。
何を聞かれてどう答えてるのか、自分でも訳が分からない。
このままじゃ絶対合格できない。
きっと私の思ってること一つも伝わってないよ~!!
「では最後に、市ノ瀬さんから私達に何か言いたいことはありますか?」
眼鏡をかけた男性の面接官が微笑んで言った。
私は真っ白な頭に酸素を取り入れようと大きく息を吸い、少しの間の後に口を開いた。
「私は作業療法士になりたいです!
骨折をして人の優しさに触れた時、不安だった心が温かくなりました。
私はその温かさを忘れません。
病院で患者さんの笑顔に会った時、
小さくてもその笑顔の役に立ちたいと思いました。
笑顔の眩しさを胸一杯に感じました。
作業療法士になって、患者さんと一緒に汗をかき、患者さんと一緒に笑い合いたいです!!」
話すことだけで精一杯。
途中で息をすることなく最後まで言いきった。
口を閉じ鼻息が荒くなった私を見て、3人の面接官は微笑んでいた。
面接室から出た私の体からどっと力が抜けて座り込みそうになる。
なんとか廊下にあった椅子に座り、大きく息を吸ってゆっくりと吐いた。
ちゃんと伝わったかな?
少しでも伝えることが出来たかな?
私の高鳴る鼓動はしばらく続いていた。