Love Birthday‥






「なあ、今日久しぶりにクリスマスのメンバーでカラオケ行かない?」


昼休みに、突然高木君が言ってきた。



私達がギクシャクしている事情を知らない高木君は、

きっと良かれと思って言ってくれてるんだ。



高木君に腕を引っ張られて来た志則と、久しぶりに目を合わせたけど……

互いにすぐに視線を逸らした。


どうしてかわからないけど、

ただなんとなく目を逸らしてしまった。





「なあ~、行こうぜ~?」


「そうだね、卒業したらなかなか会えなくなるし、みんなで行こっか!」


駄々をこねるように肩を動かす高木君に、理子が笑顔で言った。



「……うん」

私は理子の言葉に戸惑いながらも首を縦に振った。


そんな私を見てか、志則も高木君に小さく頷いた。




「久美子も行こう?」


小百合が少し離れた席にいる久美子に言った。


私は久美子が来てくれることを願いながら、久美子の返事に耳を大きくする。



「私は用事あるからみんなで行っておいでよ」


少し歯にかんだ笑顔で言う久美子に、

小百合はそれ以上誘わなかった。




まだ無理


そんな言葉が久美子の悲しい笑顔から伝わってきた。








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