Love Birthday‥
「志則!?」
私の手を引く志則に何度も声をかけた。
聞こえているはずなのに、その声は志則には届かない。
「ねえ、どうしたの?
言いたいことがあるならちゃんと言ってよ!!」
志則は、振り払おうとする私の手を握ったまま公園で足を止めた。
「わかんねぇんだよ……。
俺にもわかんねぇ……」
志則の悲しい声が、雪しかない真っ白な公園に響いた。
「どうして愛実をここまで連れて来たのかも
俺が何を言いたいのかもわからない。
ただ……傍に居たかった」
志則が口にした言葉が、私の心にスッと入り込んだ。
その途端、何かが心の奥底に落ちたような気がした。
ずっと胸にあったドキドキが消えて
何も感じなくなる。
気がついたら、私は言葉を発していた。
「私も……」