Love Birthday‥
カラオケが終わると、女の子4人だけで喫茶店に入った。
何度も来たことのある小さな喫茶店の店長さんは、私達を常連客だと思ってくれてる。
中に入るといつも笑顔で
「おっ今日も来たか、不良娘!」って言うんだ。
「おじさん、ココア4つね」
ここに来ると、いつもみんなでココアを飲む。
ココアの上にクリームとチョコをいっぱい乗せてくれる店長さんのサービスが好き。
ココアを飲み始めると、久美子が鼻をすすりだした。
「久美子、風邪ひいちゃった?」
小百合がティッシュを差し出し久美子の顔を覗き込むと、
久美子の頬に涙が溢れた。
溢れた涙がぽろぽろと零れ落ちて、両手で持っている久美子のココアのクリームを溶かす。
「どうしたの?」
私達は久美子の涙の訳を聞いた。
理由は志則だとわかっているだけに、私の胸は変に痛かった。
久美子は嗚咽を堪えながらゆっくりと口を開いた。
「私……ね、吉田君に告白したの。
けどやっぱり、見事にふられちゃった……」
涙を流しながら微笑む久美子に、なんて声をかけたらいいのかわからなかった。
「愛実……私、ずっと愛実に嫉妬してた。
吉田君の一番近くにいる愛実が羨ましかった。
だから、言ったんだ……私を好きじゃなくても抱いてほしいって……
だけど吉田君に……『抱けない』って言われちゃった」