Love Birthday‥
胸が痛かった。
最低だと言ったことを、久美子は自ら選ぼうとした。
『気持ちがなくてもいい』なんて
そんな寂しいことを口にしてしまうほど、久美子は志則が好きなんだ。
久美子を泣かせた志則。
久美子の涙が落ちるたび、行き場のない怒りが志則に向いてしまう。
どうしようもないことだってわかってる。
わかってる……
だけど、志則にしかこの渦巻く思いをぶつける場所がなかった。
何も言えない私は、久美子の手を握ることしか出来ない。
握った私の手を、久美子は包み込むように握り返した。
「愛実はSEXフレンドなんかじゃないよ。
吉田君、愛実より胸の大きい私をふっちゃうんだもん。
体目当てで付き合ってる関係なら、
すぐに私に飛びつくはずでしょ?」
無理に笑顔をつくった久美子の頬に涙が零れ、久美子は力強くそれを拭った。
「だから、ちゃんと吉田君と向き合いなよ?」
「うん……」
いつの間にか4人とも泣いていた。
誰が失恋したのかわからないくらい、みんなで泣いた。