Love Birthday‥
「おはよう。ドアの窓から愛実が見えたから……。
珍しいね、愛実がこんなに早く学校にいるなんて」
「そう?
杉田君は相変わらず早いんだね」
思い出した。
杉田君に会いたくて無理して早起きしてた頃のこと……。
あの頃は杉田君に夢中だった。
「この前はごめんな。
彼氏と喧嘩にならなかった?」
一瞬戸惑ったけど、「大丈夫だよ」って答えた。
志則の嘘を信じ込んでる杉田君。
本当のことを言おうか迷ったけど、
女の意地っていうのかな……?
変なプライドで嘘をついた。
「杉田君は歩美さんと上手くいってるの?」
「ああ、愛実のおかげで今は順調」
「よかった」
歩美さんを思いながら微笑む杉田君を見ても、
私の胸は痛まなかった。
自分でも信じられないくらい
本当によかったって素直に思えたんだ。
私、やっと杉田君への恋から卒業できたんだね……。
「じゃあね」
廊下に出て行く杉田君に笑顔で手をふった。