Love Birthday‥
こんなのを理子たちに見られたら、絶対何か聞かれちゃう。
キスマークが隠れるように、胸元のボタンを閉めて部屋に入った。
「あっ愛実、これからサッカーゲームすることになったから
愛実は吉田君とペアになって」
「えっ、なんで吉田君と!?」
「愛実と吉田君がトイレに行ってる間に、クジで決めちゃった」
楽しそうに話す理子に、クジをやり直したいなんて言えない。
トイレから戻った志則は、私とペアになったことを聞き、
「よろしく」って右手を私に差し出してきた。
なにがよろしくだよ~!
みんな、この笑顔に騙されるな~!!
「よろしくね」
私はにっこりと笑い、志則の手を力いっぱい握った。
握力を測る時みたいに、これでもか!! って強く。
だけど、志則は顔色ひとつ変えず、笑顔のまま私の手を握っていた。