Love Birthday‥
「俺のこと、怒ってるんだね……」
「えっ!? ちっ違うよ。ちょっと勘違いしただけ」
久しぶりに間近で見た杉田君の顔。
付き合っていた頃より、少し長く伸ばしているサラサラな髪。
杉田君の声を聞いた途端、胸がドキドキと高鳴り始めた。
やっぱり私は、杉田君のことが好きなんだ……。
「あのさ、今日の放課後会ってくれる?」
杉田君の誘いに、私の鼓動はドーーンって大きな波が押し寄せたみたいに強まった。
「今日は、友達と約束があるから……無理」
「じゃあ、明日は? 明日、放課後教室に迎えに行くから」
「うん……」
約束をして教室に走りだした杉田君の背中を、じっと見つめた。
付き合っていた時、何度も抱き締めた大好きな背中。
別れた途端、一番遠く感じるようになった背中。
私は、もう一度その背中に触れることが出来るのかな……。
杉田君に会う約束をされただけで、期待をしてしまう。
何度も夢にまで見た杉田君との新しい恋を。