Love Birthday‥
「おはようございます!」
懐かしい声だった。
その声は前より少し低くなってて、
振り向くと、満面な笑みが私の目に飛び込んできた。
「翔太くん!」
「あ~~~!
本当に愛実ちゃん作業療法士になったんだー!!」
男の子から青年に変わった姿で車いすを漕ぐ翔太君がいた。
私はその姿を、驚いて目を丸くして見ていた。
「コラッ! もう愛実ちゃんじゃなくて市ノ瀬先生でしょ?
……て言っても、私もさっきまでそう呼んでたけどね」
小さく舌を出して微笑む山本先生。
「もしかして、私の担当患者さんて翔太君ですか!?」
「そうよ。
市ノ瀬先生がここに来るって決まってから、翔太君がずっと希望してたの。
私より市ノ瀬先生がいいんだって~」
「だってまた豚の絵描いてほしいんだもん!」
「豚……? あ~!! あれは猫だって言ったでしょー!」
「豚だよ~。ねっ、山本先生?」
「えっ!? 私にふらないでよ~」