Love Birthday‥
「愛実ちゃんが来るって聞いた時に、愛実ちゃんの顔も描いたんだよ。
前に会った時の愛実ちゃんを思い出して描いたから、今より若いんだけどね」
「も~ぅ、今も若いんです~!」
翔太君が捲ってくれたページに、あの頃の私がいた。
自分の気持ちが分からずもがいていた高校生の私。
たくさんの人に出会い、夢を見つけた青春時代――。
「ありがとう」
翔太君にお礼を言うと、翔太君が何かを言おうとした。
「あの、あのさ……」
「ん? なに?」
「やっぱいい! なんでもない!」
翔太君は首を大きく横に振りながら、慌ててスケッチブックを閉じた。