Love Birthday‥
「痛っ!!」
「我慢しなさい」
私に足首に湿布を貼られ包帯を巻かれている志則は、さっきまでとは別人のように何度も悲鳴をあげている。
包帯の巻き方がわからない私は、とにかくシップが剥がれないように包帯をぐるぐる巻きにした。
「あのさ、もっと優しくしてくんない?」
「さっきまで平気だって言ってた人が、甘いこと言ってんじゃないわよ。
どうして足の怪我を隠してたの?」
「だって……床に放り投げられて怪我したなんてかっこ悪いだろ」
「誰にかっこつける必要があるのよ!」
怒鳴りつけるように言った私の頭に、久美子の顔が浮かんできた。
もしかして、久美子にかっこつけたかったの?
失恋した志則は、久美子の明るさに魅かれ始めてる……?
包帯を巻きながら、私はそんなことを考えていた。