Love Birthday‥
愛の傷
教室に入ると、志則が女の子に顔の傷のことを聞かれていた。
「愛の証」
志則は笑って言う。
顔の腫れは、昨日別れた時より少し酷くなってた。
だけど笑顔で元気いっぱいの志則。
私と別れても、志則はいつもと変わらない。
クラスメイトや友達も。
志則と私の関係は誰も知らなかったんだから、当たり前だけど。
それに、大恋愛をしてたとか、そんな関係じゃなかったしね。
杉田君と別れた時は、こんなんじゃなかった。
黙っていると涙が溢れて、いつも暗くなって下を向いてた。
そんな私を、理子達は元気づけようと一生懸命励ましてくれた。
何度も神様にお願いしたよ。
付き合っていた時間にタイムスリップしたいって。
何度も何度も、神様に祈った。
普段気にもしていなかったテレビの朝の占いを欠かさず見るようになったり、
学校の帰りに四葉のクローバーを探したり。
いつも何かにすがってた。
そうでもしなきゃ、生きていけないって思ったんだ。
恋の苦しさ、
失恋の悲しみに、
今にも潰されそうで……。
大げさに思われるかもしれないけど、その時の私は本当に辛かったんだ。