Love Birthday‥
「重い?」
「すげー重い」
「私のことバカだと思ってる?」
「すげーバカだ」
志則は何も聞いてこなかった。
こんな情けないことを聞かれても困るけど、
聞かれないのも寂しい。
志則の背中の温もりを感じながら、志則の頭に積もっていく雪を見ていた。
「志則、私の家ここを左だよ」
志則が右に曲がったことに気づいて慌てて言った。
「わかってるよ」
ぶっきらぼうに答えた志則。
その足は志則の家へ向かっていた。