Love Birthday‥
志則の唇が、頬に優しくキスをする。
溢れだした涙を見て、志則が冷たい手で拭ってくれた。
「いや?」
優しい眼差しの志則に、首を横に振って答えた。
志則が優しく包んでくれる。
志則の体温が、私の熱を奪ってくれる。
ねえ、志則
熱だけじゃなく、心も奪ってよ……。
私の心、どこにあるのかな?
おかしくなったのは、頭じゃなくて心だったみたい。
自分で自分が情けないよ。
心がどこにあるのかわからないまま
志則に抱かれた。
杉田君にふられた日に……
志則と同じことをしている自分の弱さに押し潰されそうになりながら。