Love Birthday‥
久美子の背中に、私の胸が痛くなった。
そして心の中で何度も謝った。
久美子、私にそんなに優しくしないで
私は優しくされるような人間じゃないよ。
この体の痛みはいつかは消えるけど、
志則と体を重ねたという事実は消すことができない。
何度心のリセットボタンを押しても
志則との思い出は消せない。
志則の温もりが
この体に焼きついている。
どんなになかったことにしようとしても
どこまでも付き纏う事実。
どうすればいい?
大切な友達を失うことになっても、
この事実は打ち明けるべき……?
久美子の涙を見たくない。
だけど、私だったら本当のことを言ってほしいって思うだろうな。
本当の友達なら、どんな結果を迎えることになっても
打ち明けるべきだよね……?
病院に向かう車の中で、
私は、私に幻滅する三人の友達の顔を頭に浮かべた。
想像するだけで胸が痛くなる。
あんなに痛いって騒いだ手首の痛みが、ほとんど感じなくなるほど。
私は、病院の待合室で
三人に打ち明ける覚悟を決めた。