Love Birthday‥
新しい扉
「イタ―――ッイ!!!!」
病院の廊下まで私の声が響いた。
「はい、これでよろしい」
髭もじゃの年配のお医者さんが、予告なしに折れてる骨を正常な位置に戻し、
あっという間にギブスで手首を固定した。
「一週間後にまた来て下さい。
痛み止めの処方箋を出しておくから、痛くなったらそれ飲んで」
かなり素っ気ない口調で言われ、
「ありがとうございました」
と一言言って診察室を出た。
あっという間の処置だった。
手首をいじられたときは、目の前に星が現れるほど痛かったのに、
今はほとんど痛みを感じない。
あのぶっきらぼうな先生の手が、魔法の手のように思えた。