Love Birthday‥
「こんにちはー!
山本先生、僕昨日の絵の続き描くね」
リハビリテーション室に元気な声が響いた。
その声の男の子は車いすから椅子に移り、山本さんが持ってきた画用紙を受け取った。
そして私に気づき、首を傾げて言った。
「誰?」
まん丸い瞳が不思議そうに私を見ている。
「あっ、ギブスしてるからお姉ちゃんもリハビリ?
僕、翔太。ここに毎日来てるんだ」
「お姉ちゃんは愛実っていうの。
今日、学校で骨折しちゃったんだ」
「じゃあリハビリに来たんじゃないの?」
「うん」
「なーんだ。一緒に絵描こうと思ったのに……」
残念そうに下を向いた翔太君を見て、隣のテーブルにいた熊田さんが私に言った。
「愛実ちゃん、翔太君の絵はとても上手なんだよ。
少し見ていったら?」
「そうなんですか?
じゃあ私も一緒に描いてもいい?
実は絵を描くの好きなんだ」
「えっ、いいの!?
山本先生、画用紙もう一枚ちょうだい!」
笑顔の翔太君を見て、すごく嬉しくなった。
こんな私でも喜んでもらえるんだ……。