Love Birthday‥
翔太君は家で飼っている犬のハッチの写真を見ながら
ハッチを画用紙に描いている。
その小さな手は少し震えてて、絶え間ないその震えは緊張して震えているわけじゃないと感じた。
「僕ね、ボタンをとめようとしたり、何かに集中すると手が震えちゃうんだ」
明るくそう言って、楽しそうにハッチを描き続ける翔太君。
黒い色鉛筆でぐりぐりとハッチの目を大きく描いた。
「できたー!」
翔太君の笑顔が眩しい。
かわいく描かれたハッチを私に見せてくれた。
「翔太君、本当に上手だね」
「へへへ……でしょ?
僕、大きくなったら絵描きさんになりたいんだ」
満面な笑みがキラキラと輝いて、リハビリ室を明るくする。
私の心に太陽のような光をくれた。