意地悪な男と恋をはじめます。

ご飯を食べ終えてしばらくしてから、俺はテレビを観賞し、桜楽さんはお皿を洗いはじめた。使ったものを洗ってくれる辺りが、しっかりした人だと俺は思う。

久しぶりにイタズラでもしようかと思った。本当に久しぶりにだ。

さあ、何をしようか。普段やるような意地悪は、逆に驚きもないだろう。だったら、これが一番いいに決まってる。間違いなく驚くだろう。想像するだけで、笑えてくる。

そう俺は、ゆっくりと桜楽さんの後ろへと近づいた。もちろん気づかれないように。

そして、そぉーっと後ろから抱きしめた。皿洗いしてる手を動かせるようにだ。その直後一瞬だけど、肩がぴくりと動いた気がした。