意地悪な男と恋をはじめます。
「矢野、何してるのよ。」

「んー、何も。」

と言いながら首筋の匂いを嗅ぐようクンクンと鼻を動かした。何も。何て言っているが、現在進行形でイタズラしています。

「桜楽さん、なんかつけてる?」

「別に着けてないわよ。て言うか、くすぐったいから、離れてよ‼」

「いーや」

「意地悪!」

「褒め言葉として受け取っておきます!」

何て言うと、呆れた表情してる。

それもそうだろう。どう考えても誉褒め言葉ではない。だけど、今の俺には、褒め言葉なのだ。
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