意地悪な男と恋をはじめます。
もう俺は完璧に怒っている。桜楽さん相手に怒るのは珍しい。

「ねえ、早く答えてよ?この口はなんのためにあると思ってるの?」

「わからないわよ‼全部はわからないわよ‼むしろちゃんと言いなさいよ‼私だって、私だって…。」

泣かれたら、なにも言えないじゃないか。泣いたら逆に寝て泊まるのか?などやましい気持ちになったりもしたが、その考えは、頭から振り払うことにした。だってまだなにもない。

「桜楽さんのこの耳は飾り?」

そうすると首を横に振りながら小声で、「違う。」と言った。

「なら俺の話聞いてくれる?」

「うん…。」
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