意地悪な男と恋をはじめます。
途中で言葉を区切った俺は、軽くだが、桜楽さんの手を踏んだ。そう軽くだ。

「なぁ、痛い?痛くないよな?だって、力入れてないもん。」

あー、いいね。
その顔。最高だよ。ゾクゾクするよ。もう最高すぎるね。

「やめ・・・て」


そんな弱々しくやめてなんて言っても、やめるわけ無いだろ。

「嫌だよ。わかる?俺は、これよりも痛いの!桜楽さんが悪いんだよ。何もかも忘れた桜楽さんがいけないんだから!だからこれぐらい我慢しろよ!」

「私のせいなわけないわ。」

「あははは、ばっかじゃないの!俺のことわからないくせに、よく言うよな!小さいとき、俺のもとから消えたくせによくいうよ!なんで居なくなったんだよ!何も言わずに居なくなるなんて、酷いだろ!」

俺は少し怒りながらも、踏んでた足をどけた。それと同時に、桜楽は、資料を拾い上げた。
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