意地悪な男と恋をはじめます。

火傷でもしたらどうしてくれるわけ！と、一言言ってやろうと思ったのだが、オムライスを食べ終えた瞬間に、そんなことはどうでもよくなっていた。

｢お、美味しい！これ凄く美味しいわ！｣

｢だろ！１度食べてほしかったんだよ。｣

そう笑顔で言う洸をみると、桜楽は一緒のスプーンを使った事は無かった事にしようと思えてきた。普段の仕事の時と違う、無邪気な表情が少し可愛く思えてくる。

｢桜楽さんのミートソースパスタ、一口頂戴。｣

みるからに瞳がキラキラしている。この目の前にいる男は、誰なんだ！そう錯覚さえ、覚えてしまう。

｢もちろん、食べさせてくれるよね？｣