意地悪な男と恋をはじめます。
いや、動きたくても動けない。それは言えず、頷くことしか桜楽には、出来なかった。
そこからの洸の行動は、早かった。
まず初めに相手のナイフを蹴り落とし、そのあと相手のみぞおちに一発ずつ拳を決めていった。

足が恐怖で震えている桜楽が、倒れる前に抱きとめた。その一部始終みた桜楽は、その瞬間胸がドキドキと高鳴った気がした。そのまま洸は、自分の着てた上着を優しく桜楽にかけてあげた。

「桜楽さん、大丈夫?」

「今は大丈夫よ・・・。ただ・・・さっきハンカチで口と鼻を塞がれ・・・何かの匂いかいで少し頭ふわふわ?視界も少しうつらうつら・・・頭・・・真っ白・・・だわ。」
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