意地悪な男と恋をはじめます。
下の服は、今現在着ているので我慢してもらうことにした。あまりいいのはなかったが、Tシャツを数枚持って部屋に戻った。

部屋に戻ってすぐ、ベッド近くにある椅子に腰をおろした。

目は覚めていない。

すかさず手を握った。

そう、桜楽の手を両手で包み込んでいる。

「桜楽さん・・・。」

「ん・・・。」

洸の言葉に反応するかのように、桜楽はゆっくりと、目を開けた。遅れて反応するかのように、包み込まれた手は微かに、握り返していた。

「や・・・の・・・?」

「ああ、そうだよ。矢野だよ、桜楽さん。」
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