意地悪な男と恋をはじめます。
「外ですし、普通に呼べばいいよ。」

「そうね、瑞季くん。」

駅までという短い距離だけど、高校生の私達にとったら、貴重なデートコースになる。電車の方向は、逆の路線。そのせいか、余計ドキドキもした。

電車をおり歩くと、またあのワンボックスカーがあったの。
いつもと違うのは、近くに人がいること。もちろん顔なんてわからない。サングラスを掛けているんだから。


「お嬢さん、吉良星学院の生徒会長間宮桜楽さんをご存知ですか?」

吉良星学院は、有名な私立高校だ。そんな学校で、生徒会長をやっているから、他校とかにも名前は知られていても外で話しかけられることはない。
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