意地悪な男と恋をはじめます。
それからの俺は、柔道と、空手を、始めた。ただ、ただ、再会した時に約束通り守れるようになるため。たまに体調崩すことはもちろんあったが、小さい頃と比べれば、だいぶ減っていた。

「洸、どうした。」

「兄さん。今、あの子はどうしてると思いますか。」

「さあな。ただ、お前と一緒で、あの子も洸のことを覚えているとは限らない。覚悟はしとけ。」

蒼空兄さんの言葉が重くのしかかってきた。

俺は、そのことを考えたくなかった。
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