意地悪な男と恋をはじめます。

この会社の資料室は、とても大きい。噂によれば、創業当時から資料を、捨てずにとってあるからだと、誰かが言っていた。今思えば、資料はとっておくのは、普通だから当たり前なのかも知れない。だけど、多すぎやしませんか？

目当ての資料を探しながら歩いていると、耳に小さな会話が聞こえてきた。

｢･･･と間宮さんって･･････関係･･･｣

ところどころしか聞こえないものの、驚いた。
｢私の･･･名前？誰が話してるの？｣
私は、聞こえてきた声に自分の名前が出てきた途端、驚きながらも身を潜めてしまった。まぁ、名前と言っても苗字なんだけど。ちょうど、目当ての資料の場所に着くには、止まるしかない。だって、通ったら、誰もいないと思ってるのに、私がいました。なんてオチはゴメンだ。

(これだと盗み聞きしてるみたいじゃないの･･･。あ、いや盗み聞きか。どうなんだろう。)
と心の中で、呟いていた。