コントラスト~「て・そ・ら」横内航編~
・・・・・なんてこったい、第3者にそんなにバレるほど判りやすかったってことか??
ならもしかして、本人にもバレてるんじゃ――――――――――
そう思って羞恥心に震えまくったけど、その時いきなり素振りに没頭し始めた俺を見てゲラゲラと笑い、幸田は言ったのだ。
いやいや、お前が自分を好きかどうかなんて、あの子はまだ気がついてないだろう、って。
『大人しい子みたいだし、なんかちょっと変わってるよな~。なんであんなのがいいんだ?悪いけど、野暮ったくねーか?』
幸田がそういったときにはちょっと殺意すら覚えた。
まあ特に外見が可愛いってわけでもない。それに存在感が薄くてあまり喋らない。だけど彼女の肌が白くて透明感があることや、瞳が茶色くて案外大きいってことを俺は知っている。
いいんだ、佐伯のよさは俺だけが知ってれば!そう思って、あとは無視した。何かベラベラ喋っていたけれど、それでも幸田も菊池さんも他の誰かに面白おかしく話を広めようとは思っていないようだったから、数日間様子をみて安心したのだった。
二人は一応、応援してますってスタンスを取っているつもりらしい。邪魔はしないよ~だけど話題には出すよ~、みたいな。
その幸田がいう、あの子。それは佐伯に決まってる。
「どこ?」
思わずそう声に出してしまって、かなりにやけた顔の幸田と目が会った。・・・くそ、殴りつけたい。弱みを握られた気分・・・いや、現実に握られてるよな、俺。
幸田は俺の目に何かをみたのか、それ以上は俺をからかわずに大人しく指を向ける。