生徒会のスガオ
旧校舎の誰もいない教室に入ると、そのまま壁に押し付けられた。猫を持っていない右手で私の左手と一緒に押さえられた。
「……あはは」
「……なんで笑ってる」
「特撮の悪の大将がヒロインを拉致したような構図だから」
月居くんのマスクのせいだよ。
その言葉に納得したように頷いた月居くんは小さく笑った。
「……確かに」
「それより、なんで私を?」
「どうして……演技をする」
「え?」
「……昔みたいに、自分らしくいれば良い」
「なにを……言ってるの」
顔が近いと否定をするよりも、まるで昔の私を知ってるような言い振りの月居くんに驚く。
私たちが初めて会ったのは中庭だと思うのだけど……。
「にゃあ!」
「あ、コロ助!」
「は?」
猫が嫌がるように月居くんの手から降りると、廊下を出ていった。コロ助という名前に驚き月居くんを見上げた。
「最初はコロだったんだけど」
「……そうなんだ。って、いつまでこうしてるの」
ちょっと恥ずかしい。月居くんほどじゃないけど、凄く緊張してしまうから。顔が未だに近いし、もう頭がパンクしそうだ。
月居くんは、あっ、と気付くとすぐに離れてくれた。
「コロ助」
「ちょっと!」
猫のことが聞きたいため廊下に出た月居くんの後を追いかけた。お世辞にも可愛いとは言えない、ちょっとブサイクな見た目も愛くるしい。
廊下の最奥にコロ助がいて、月居くんはしゃがみながら手招いていた。
どうして、この見た目に怯えないのだろう。ある意味、肝がすわってるのかも。
「……あはは」
「……なんで笑ってる」
「特撮の悪の大将がヒロインを拉致したような構図だから」
月居くんのマスクのせいだよ。
その言葉に納得したように頷いた月居くんは小さく笑った。
「……確かに」
「それより、なんで私を?」
「どうして……演技をする」
「え?」
「……昔みたいに、自分らしくいれば良い」
「なにを……言ってるの」
顔が近いと否定をするよりも、まるで昔の私を知ってるような言い振りの月居くんに驚く。
私たちが初めて会ったのは中庭だと思うのだけど……。
「にゃあ!」
「あ、コロ助!」
「は?」
猫が嫌がるように月居くんの手から降りると、廊下を出ていった。コロ助という名前に驚き月居くんを見上げた。
「最初はコロだったんだけど」
「……そうなんだ。って、いつまでこうしてるの」
ちょっと恥ずかしい。月居くんほどじゃないけど、凄く緊張してしまうから。顔が未だに近いし、もう頭がパンクしそうだ。
月居くんは、あっ、と気付くとすぐに離れてくれた。
「コロ助」
「ちょっと!」
猫のことが聞きたいため廊下に出た月居くんの後を追いかけた。お世辞にも可愛いとは言えない、ちょっとブサイクな見た目も愛くるしい。
廊下の最奥にコロ助がいて、月居くんはしゃがみながら手招いていた。
どうして、この見た目に怯えないのだろう。ある意味、肝がすわってるのかも。