生徒会のスガオ
「その猫」

「……コロ助二十代目」

「二十代目?」

「昔に迷い込んでて、誰かが面倒を見てる……俺も、頼まれた」

「そうなんだ。学校の誰にも知られてないの?」

「……先生たちは黙認。知ってる」

「うーん、そうなんだ」


コロ助が月居くんの腕におさまった。たぶん、月居くんにしかなついてないんだろうな。なついたから頼まれたのかもしれない。


「月居くん」

「……?」

「私のこと知ってるの」

「……」

「ねえ、なんで?」

「……関係ないことだ」

「関係ないことないでしょ。私のことだし」

「……おまえ、うるさい」

「なっ」


やっぱり嫌な人だ。冷たいしなんかムカつく。知りたいと思ったけど、知りたくもない。


「コロ助が怯える」

「……」

「聞かれたくないことを聞きたいのか?」


しゃがんでいた月居くんは顔だけをこちらに向けて上目遣いをした。コロ助が暴れたのかマスクとメガネが外れた。
初めて見る月居くんの顔がしっかりと見えて私は言葉を失った。

たぶん、今までテレビも含めてだけど彼以上に綺麗な顔をしている人は見たことがない。美少年だと誰もが言うほどの容姿。こう考えると、こんな見た目の人を見たことはない。
< 12 / 30 >

この作品をシェア

pagetop