生徒会のスガオ
月居くんはすぐにメガネを着けて私から顔を反らした。
言葉を失うほどの見た目で、輝くほどに眩しくて少し目を細めた。


「ごめん、うるさくて」

「分かれば良い。大きな物音が嫌いだから」


コロ助を抱いて立ち上がる月居くんがニィッと爽やかに笑った。顔は良く分からないけれど、さっきの顔が浮かぶため綺麗に笑ってるんだろう。


「……あ、いや、その」


何だか気恥ずかしくなってきて顔が熱くなってくる。顔に見惚れていた部分があるせいか、すごくドキドキとしてしまう。
顔をじっと見えないため目を反らしていると、コロ助が小さく鳴いて私の足に近寄ってきた。


「……コロ助」

「自分を作る必要ないんじゃないか」

「え?」


コロ助を抱えると、月居くんがぼそりと呟いた。私は思わず聞き返した。
厳しい顔はしていなくて、ちょっと動揺してしまった。


「そのままで……魅力あるし」

「!!」


小さかったけど確かに聞こえた。その言葉に、さらに胸が強く高鳴った。なんでそんな言葉を掛けてくるんだろう。そう思ったら心がざわざわとしてくる。

月居くんは私の腕の中にいたコロ助を抱き上げると歩き始めた。聞かれてないと思ってるのか少し足早だった。


「……どうして、そんなこと言うの」


戸惑ってしまう、困惑してしまう。理由が分からない心のざわつきがあった。
本当に分からない。たぶん気のせいだ。勘違いしてるんだ。

見た目に惑わされているんだ。
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